日本人に多い頭痛のタイプとその特徴
日本では成人の約3人に1人が慢性的な頭痛に悩んでいると言われる。中でも多いのが片頭痛と緊張型頭痛の2つだ。
片頭痛は、ズキズキと脈打つような痛みが片側に現れ、光や音に敏感になるのが特徴。女性に多く、月経周期との関係も指摘されている。一方、緊張型頭痛は、肩や首のこりから起こる締め付けられるような痛みで、デスクワーク中心の働き方をする人に特に多い。梅雨や台風シーズンになると気圧の変化で症状が悪化する人も少なくない。
群発頭痛という、目をえぐられるような激痛が数週間続くタイプもある。こちらは頻度が低いものの、我慢せずに早めの受診が必要だ。
頭痛を放置するとどうなるか
「頭痛くらいで病院に行くのは恥ずかしい」という感覚は、まだ根強い。しかし、慢性的な頭痛を放置すると、痛み止めの使い過ぎによる薬物乱用頭痛に陥るリスクがある。市販薬を月に10日以上使っている人は注意が必要だ。
また、頭痛は脳卒中やくも膜下出血など、命に関わる病気のサインであることもある。「今までにない激しい痛み」「手足のしびれを伴う」「50歳を過ぎてから頭痛が始まった」といった場合は、すぐに医療機関を受診してほしい。
頭痛外来で受けられる治療
日本には全国に頭痛専門外来が増えており、日本頭痛学会が認定する専門医も各地にいる。頭痛外来では、問診に加えて頭部の画像検査を行い、危険な病気を除外した上で治療方針を決める。
治療の中心となるのは、発作時に使うトリプタン系薬剤と、予防薬として使われる抗CGRP抗体薬だ。予防薬は月に数回の注射で効果が数週間続くものもあり、仕事や育児で忙しい人にとって負担が少ない選択肢になっている。
| 治療の種類 | 代表的な方法 | 費用の目安 | こんな人に向く | メリット | 注意点 |
|---|
| 市販薬でのセルフケア | イブプロフェン配合の鎮痛薬 | 数百円〜1000円程度 | 月に数回しか痛まない人 | 手軽ですぐに始められる | 月10日以上の使用は薬物乱用頭痛のリスク |
| 頭痛外来での発作治療 | トリプタン系薬剤の処方 | 保険診療内で自己負担は1〜3割 | 片頭痛の発作が月に2回以上ある人 | 痛みのピークを抑えられる | 吐き気やめまいなどの副作用がある場合も |
| 予防療法 | 抗CGRP抗体薬の注射 | 保険適用で高額療養費制度の対象になり得る | 月に4日以上頭痛がある人 | 発作の頻度と重症度を減らせる | 効果が出るまで数週間かかることがある |
| 非薬物療法 | 認知行動療法・運動療法 | 施設により異なる | 薬をなるべく使いたくない人 | 長期的な改善が期待できる | 継続的な通いが必要 |
※金額はあくまで参考であり、医療機関や保険の種類によって異なる。費用面で不安があれば、医療機関の相談窓口で確認してほしい。
日常生活でできる頭痛対策
気圧変化への備え
日本は四季の変化がはっきりしており、特に梅雨から秋にかけては気圧の変動が大きい。気圧の変化で頭痛が起きやすい人は、天気予報アプリの気圧情報をチェックしておくとよい。痛みが出る前に、耳の周りを温めたり、軽いストレッチをしたりすることで、症状をやわらげられることがある。
職場での休憩の取り方
パソコン作業が長い人は、20分に一度は画面から目を離し、遠くを見る習慣をつけよう。デスクの高さや椅子の位置を調整して、首や肩に負担がかからない姿勢を保つことも大切だ。オフィスでできる首回し運動は、血流を促し緊張型頭痛の予防に役立つ。
睡眠と食事の見直し
睡眠不足や寝すぎも頭痛の引き金になる。就寝時間を一定にし、休日も大きくずらさないように心がけたい。また、空腹による低血糖も頭痛を招く。特に朝食を抜く習慣がある人は、バナナやヨーグルトなど手軽に食べられるものを取り入れてみてほしい。
地域で活用できる医療資源
頭痛の治療は、かかりつけ医に相談するところから始めるとよい。必要に応じて、頭痛専門外来や脳神経内科のある医療機関を紹介してもらえる。地域ごとの特徴としては、都市部では頭痛専門のクリニックが充実しており、地方では総合病院の脳神経内科が対応することが多い。
オンライン診療も普及しており、自宅で頭痛外来の診察を受けられる医療機関が増えている。仕事の都合で通院が難しい人は、こうしたサービスを活用するのも選択肢の一つだ。
頭痛手帳をつけてみよう
頭痛の頻度や程度、どんな場面で起きるかを記録する頭痛ダイアリーは、診察の際に非常に役立つ。いつ、どのくらいの強さで、どんな状況で頭痛が起きたかをメモしておくと、医師が適切な治療法を選びやすくなる。スマートフォンのアプリでも記録できるものがあり、継続しやすい。
頭痛は我慢するものではなく、適切に対処できるものだ。自分の頭痛のタイプを知り、必要に応じて専門医の力を借りながら、快適な毎日を取り戻してほしい。